IGEM:Chiba/2009/Miutes/2: Difference between revisions

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*山本・野澤・井山
*山本・野澤・井山
日本チームの合同発表練習会に行ってきました!
日本チームの合同発表練習会に行ってきました!
 
内容については[[iGEM:Chiba/2009/Miutes/2/japan|合同練習会報告ページ]]にて記載しています。
 
1、Todai-Tokyo
:4つのプロジェクトを進めているようです。
:全体的に病気対策でした。
 
(1)Diabates/糖尿病
 
・砂糖の代わりになるような甘い物質(スターチ)をイースト菌に出させて低カロリーなパンを作る。
 
スターチ→グルコース→エリスリトールという経路を作りたいとのこと。
 
これによりカロリーを抑えつつ甘みのあるパンを作る。
何も言ってなかったので、おそらくは大腸菌を使う?あるいはパンつくるなら当然酵母を使うってことで言わなかったんだろうか。
(原料がスターチであっても途中でグルコースになるならあまり変わらない気がする。)(野澤)
 
 
 
(2)Smoking habits/禁煙を助けるプログラム
 
・タバコを吸ったときに発生するAhrを入力とし、吉草酸?(とても臭い)を出す。大腸菌を咽喉の粘膜あたりに住まわせたい。
 
煙の中のダイオキシンからAhr→XRE(プロモーター?)→yqiT(バチルス由来)→匂い
 
・受動喫煙でも動くだろうとのこと。(野澤)
 
 
(3)Exess LDL in blood/動脈硬化を防ぐための、血中のLDLを取り除くシステム
 
・酵母にLDL受容体を膜状に発現させ、LDLと結合したらそのままエンドサイトーシスで受容体ごと体内に取り込む。
 
・future workでの実用段階では、血管にバイパス手術のような感じで寄り道をつくり、そこに酵母を取り付けたカラムのようなものを用意し、
 LDLをこしとる仕組みを作りたいとのこと。
 
 
(4)Sleeping disorders/睡眠障害
 
・UVを入力とする、positive feedbackとnegative feedbackを1つずつ組み合わせたoscillatorを用いて、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル(90分毎に入れ替わる)をコントロールする。
 
・周期的にGFPを発現させるとのこと。GFPや他いくつかのタンパク質(オシレーターの部品となる)には分解タグをつける。
:これによりGFPは溜まることなく周期的に蛍光を発するようになる。
:回路中のGFPには分解タグがついている。
 
・振動が減衰する前にスイッチが切れるようにしたい。
 
・最終的に何をしたいのかがいまいちわからなかった。目覚ましや、周期的に薬を発現(2時間に一度飲むとかそういう感じ)するという発想があったらしい。
:(が、プレゼンでは言ってなかったように思う)(野澤)
 
 
 
2、Tokyo-Tech
 
:火星のテラフォーミング
 
・最終的な目標は火星の環境を変化させ、地球の生物が生きられるようにすること(細菌は様々な場所に適応しており、強いから)
:火星の一部を暖める→別な菌でさらに広範囲を暖める→大気等の環境を変えていく、といった流れらしい。
 
・温度を上げるために、菌は体内でメラニンを作り黒くなり、太陽光を集める。
:菌に温度によってメラニン色素を生産する機構を組み込み、火星の表面に蒔く。
:寒いときはメラニンをたくさん生産して黒くなり、光をたくさん吸収して暖める。
:熱くなりすぎるといけないので、十分な温度(40℃くらい)に近づくと温度感受性のタンパク質でメラニン分解酵素?を発現する。菌は白っぽくなっていき、光の吸収をやめる(元に戻る)。
:火星は低温なので、温度が上がるまでは、低温に耐えるために(菌が凍らないように)AFP(Anti-Freeze Protein)を発現させる。このタンパク質は氷の精製を抑える働きがある。
 
・最初は鉄酸化細菌を使う。UV対策に穴を掘って地下で住まわせると言っていたがどう考えても矛盾している。太陽光を集められない。(二つ目の細菌は強いというのとも整合性がないような…)
 
・鉄酸化細菌の各種の環境に対する応答について、司令塔となる菌をつくり、クオラムセンシングで他を制御するらしい。
:クオラムセンシングで制御することで、回路を単純化(省略?)出来ると主張している。
:Lux系のクオラムセンシングを使うとのこと。火星の極地に存在する氷を溶かして水にして、それを通ってAHLは拡散する。
 
・シアノバクテリアで大気の環境を変えたいようだが、これもUVに弱いといっていた。
:もしもオゾン層を作りたいのであればここは無理してもらうしかないと思うのだが、いまひとつ要領を得ない。(野澤)
 
 
 
3、Kyoto
 
(1)Time Bomb
 
・生物ロボットは使っている間に突然変異によって暴走する可能性を持っている
:このリスクを減らすために、必要なだけ働いた後には自ら死んでしまうシステム(末端複製問題(End Replication system)を応用したタイマー)を作る。
 
・真核生物のテロメアをヒントにしている。
:自殺するためのkilling geneを導入したプラスミド(菌を殺すkiller geneを持つ環状遺伝子)と、それを抑える働きを持った遺伝子を導入した線状ベクター(End Replication systemで短くなる鎖状遺伝子)の2つを酵母に入れておく。
:線状ベクターにはリプレッサ(killing geneを抑える遺伝子)があり、常に一つの細胞につき一つだけ持っているようにするためのタグ?配列?を持たせておく。
:線状ベクターはその両側にlacI binding siteの繰り返し配列を持つ。(なぜ繰り返しがlacI binding siteなのかは、発案者がいなかったためにわからないとのこと)
 
・だんだん鎖状遺伝子が短くなり、リプレッサがなくなってしまうと菌が死んでしまうというシステム。(野澤)
 
 
 
 
(2)Cells in Cells
 
・細胞を作りたい。(なるべく楽して作りたい)
:リポソームにゲノムを入れたら細胞が出来るかどうか。
:ミトコンドリア膜を模したリポソームを作ったら、細胞核ゲノムから発現したタンパク質によってそのリポソームの分裂が確認できないだろうか。
 
(2)はまだいろいろ模索している段階のようで、実際にどういった実験をするのかなどは決まっていないようです。
 
 
 
4、Chiba
 
:いただいた質問、意見を箇条書きにします。
 
 
・Lux mutantsというのは、異なる菌にそれぞれ違うLuxを入れるのか?
 
→別々の時間応答する回路を作ったら、まず最初にレポーターをGFPで統一して、実際どの程度時差が生じたか比べる予定なので、1個体内に複数の異なる時間で出力をする回路を入れても出力を見ることができないからです。
 
:また、複数の(というか長い)回路を1個体内に入れるのは、機能面で問題があるというのも理由の1つに挙げられます。
 
 
・クロストークはどうやって押さえるか?また直列回路はどれくらい長くできるか?
 
→実際にどの程度長くできるかはわかりません。
:AHLの種類は、ある論文の(このときConstruction and analysis of luxCDABE-based plasmid sensors for investigating N-acyl homoserine lactone-mediated quorum sensingとすぐ言えればよかったのですが)で紹介されている、igemのbiobrickにあるクオラムセンシング関連パーツのクロストークのしやすさから考えると、LasとRHLまたは、LuxとLasのペアが一番クロストークがしにくい(濃度で言えば100倍~1000倍の濃度差が必要)ことがわかりました。
:今回千葉では、この2段階のクオラムセンシングを使った直列回路を作ろうとしています。
 
(アドバイス)
:Autinducer1系を使っているみたいだけど、Autinducer2の使用も考えてみたら?
:1と2はクロストークしないよ。
 
・AHLの種類はどれだけあるのか?
 
→詳しくは分かりませんが、ある論文(このときConstruction and analysis of luxCDABE-based plasmid sensors for investigating N-acyl homoserine lactone-mediated
quorum sensingとすぐ言えればよかったのですが)では、約15種類が紹介されています。
 
・花火の発現する色の順番を考えてみたらどうか
 
・図だとレポーターを複数使っているけど、あれだとレポーターの発現速度で順序制御してるように見えてしまうよ。その辺はどう考えているの?
 
→まず最初にレポーターをGFPで統一してスイッチの入り方を調べようと考えています。
:その後、最終形態として、図のような多色のレポーターを使う予定です。
:ちなみに図では1色ごとに順序制御されるようになっています。
:最後のスライドでは、2段階のスイッチが入るパターンを紹介しています。
 
・MutantはRタンパク質じゃないものの方が簡単なのでは?
 
(アドバイス)
プロモーターの変異の方がいいと思うよ。
 
・データの取り方はどうするの?液体培地だとAHLが拡散しまくって勝手にpositive feedbackのスイッチが入ってしまうかも?(木賀先生)
 
(アドバイス)
:応答が違ったりするから、片方ダメでも両方ちゃんと実験したほうがよいよ。
:液培がだめでも固体で大丈夫な場合もある。
 
・AHLの拡散速度を考えてみたらどうか
 
・拡散係数とかわかっているの?
 
→まだ調べ切れていません。よく調べてみます。
 
 
・拡散の様子とかシュミレーションしないの?
 
今年は京都大の高森さんと協力して、モデリングにも挑戦しようと考えています。
・精確とはどこまでを指すのか
 
・低分子のディフージョンの速さはどうなっているか?
 
 
山本(24/Aug/09追記)


===21~22/Aug/09===
===21~22/Aug/09===

Revision as of 21:12, 27 August 2009

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夏期長期休暇中議事・活動記録

03/Aug/2009

  • VBL3階会議室
  • 13:00-22:00
  • 山本・野澤・井山

梅野先生、豊田先生、冨永さん、福富さん、古林さん、田代さんにpptでの発表を聞いていただきました。

①Fe 検出 ・06ラテンアメリカ、07コロンビアイスラエルのFe promoterは使えるか微妙?

レギュレーターがPartsにない。
Part:BBa_I765000
Part:BBa_J3902
ラテンアメリカが使っていた論文にもレギュレーターについての詳細な情報なし。

・もし07UCバークレーで鉄を扱ったモノがあるならば、使うべき。

・大腸菌(またはそれ以外の生物)も鉄を感じる  大腸菌から遺伝子もってきたら楽なので、探すべき。

・Fe3+は生物的に使えない。Fe2+を検出する。

・iron response element

wiki
Pub_Med
PNAS


②heme oxygenaseをどうやって放出するか。

自爆する。
リゾチウムで出る。Partsでもある。
鞭毛から生成。


③Heme分解 ・Heme oxygenaseを使った分解では、NADPHが必要。KEGG

NADPHは大腸菌に添加して一緒に食べればいいのでは?高いけど。

・酸性でも分解するKEGG

oxygenaseをつかわなくても大丈夫そう。


④結合乗数・錯生成係数・キレート効果 ・レギュレーターとHeme(Biliverdin)のどちらが、Fe2+との結合乗数が高いのか調べる。

(だいたいHemeが10の4~5乗。センサが10の6~9乗らしい。…同じmol数なら勝てる?)

・Biliverdinはほっておくとまたすぐキレート形成しそう。さらに分解できないか。

・どのくらいFe2+がキャプチャーされるのか。夾雑物条件の中でいくらキャッチアップされるのか。

・低pH環境でヘムより強い結合乗数をもつセンサを使えばOK

・生体分析・血液の検査方法

実際の条件を調べる:ポリフェリンの平衡をつくってから、分離(遊離)して、pH滴定で計る。
→むしろデータ探せばありそう。


⑤シリウス いまのままだとそこまでこだわる必要がない。 低pH環境にさらされる状態(つまり細胞外にでてしまった状態)での利用法を考えるべき。


⑥菌の生存@胃 pH3ではE.coliは結構死ぬ。 ただだからといって、pHを上げると、胃とその他の消化器官との区別が曖昧になる。 他にLG21を真似してみてもいいのでは?


⑦pHセンサ ・既存のpHセンサではなくて、たとえばAHLなどの分子を使ったpHセンサシステムもできる。 ・pHセンサで胃とその他を区別する場合、大腸菌の生存のために酸性の緩和を試みることはできない。(矛盾する。)pHせんさじゃなくても、胃とその他を区別することはできないのか?


⑧テーマについて ・point:

肉を食べた人のものと結果の区別がつきにくい。
現在のテーマだと胃と他の消化器官との区別が重要。

・別の応用例も考える

フェナントロリンは夾雑物があるとNG
土壌とかは?
pH変化とFeセンサの他の使い道を考えるべき。

山本


07/Aug/09

  • VBL3階会議室
  • 16:00-23:00
  • 山本・野澤

会議ではありませんが、一応調べものの報告をしておきます。


  • テーマの方向性について

Feセンサに絞る方向になりそう。

・定量できるかは置いといて、Feが「あるか」「ないか」をセンシングしたい。
→ルミノール反応みたいなのはどうか?


  • ルミノール反応について
・感度:血液を10000倍に希釈しても感知できるレベル
→大腸菌でやった場合、どれだけの感度になるかは未調査
 →先生のいうような酵素-基質、抗原抗体、受容体-リガンドを基にしたシステムならnMやpMのレベルまで測れるものができるかもしれない(8/8追記)
・発光機構:塩基性条件下でルミノールに過酸化水素と酸化剤(触媒)を加える
→大腸菌でやれば全自動なのでライト当てるだけでよい
・発光効率は化学発光の中で最もよい(〜20%)
→生物発光の発光効率(量子収率)は20〜80%


  • その他の使い道について
・土壌のFeをセンシングする
→何が問題か?
 ・鉄と燐酸化合物の錯体形成によって土地に栄養がなくなる。(土壌とFeについて)
 ・酸をまいて鉄を溶出させて回収したほうが楽?←詳しいこと要調査(8/8追記)
・さび
・外部電極


  • 土壌とFeについて
・鉄が土壌に含まれていると肥料をまいても燐酸化合物と錯体を作ってしまい効果がでない
→大腸菌によって鉄を系から取り除くことは出来ないか(植物で実際に行われているらしい)
 ・例えば菌内に鉄を取り込む
 →その場合取り込んだ後にどうするか
  →回収することは可能か(土壌中から回収するのは難しいか)


  • Feセンサ自体について
・Feを特異的にセンシングするわけではない?
センサは結合の手の本数(配位数?)で捕まえるものを選ぶらしい
→このまま土壌中の重金属などのセンシングに使えそう
→Feだけを特異的にセンシングできるようにすれば鑑識では活躍できるかも
 →梅野先生の言う連立方程式型のセンサーで高い特異性を作り出せないだろうか(8/8追記)


  • 考え方について
・プロが手を付けなかったような、斬新な発想、利用法を考える
・「生物を使う利点」についてもっと掘り下げる


  • 参考にした本、ホームページ
・講談社現代の化学シリーズ 8 化学発光(講談社) 神谷 功 著
・教師のためのケミカルデモンストレーション2 化学発光・錯体(丸善) 池本 勲 訳
・共立化学ライブラリー 10 けい光現象(共立出版)
・GFPとバイオイメージング ー 蛍光タンパク質の発現と検出の基本から生体機能の可視化まで
土壌と鉄の関係1
土壌と鉄の関係2


山本・野澤


20/Aug/09

  • 東京大学医科学研究所2号館2階大講義室(白金)
  • 10:00-16:00
  • 山本・野澤・井山

日本チームの合同発表練習会に行ってきました! 内容については合同練習会報告ページにて記載しています。

21~22/Aug/09