IGEM:Kyoto/2010/project: Difference between revisions

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===結果===
===まとめ===
*約2ヶ月間の実施期間で、1511(うち大学生586)の回答が得られました。
*約2ヶ月間の実施期間で、1511(うち大学生586)の回答が得られました。



Revision as of 02:52, 6 December 2010

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  1. head

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  1. last

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  1. alert

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  1. menu

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  1. menu div

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  1. index

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  1. index a

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  1. index #toc

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  1. index #toctitle, #index .tocnumber, #index ul ul, #index li

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  1. index li.toclevel-1

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  1. body

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  • こちらでは、iGEM Kyoto2010のプロジェクト"the Fantastic Lysisbox"を簡単に紹介しています。
  • 英語でも大丈夫!もっと詳しく知りたい!という方は、本番用のポスターやwikiを是非ご覧ください。
  • Team Kyoto wikiページ
  • 本番用ポスター

Introduction

Cell Lysisの必要性

  • Cell Lysisとは、「細胞が溶ける」という現象です。
  • λファージ由来のLysis cassetteという遺伝子を発現させることで、大腸菌の細胞壁が溶けて中身が放出されます。この現象は、
    • 大腸菌に作らせた有用な物質(薬物、香り、色素など)を、特定の環境下で自動的に放出する
    • 役目を終えたら自殺することで、組み換え生物によるバイオハザードを防ぐ
  • 細胞死機構として様々に活用できます。
  • そのためCell Lysisを自在に制御する機構は非常に応用性が広く、遺伝子工学の発展に重要な役割をもつと考えられます。

Lysis cassetteの機構

  • Lysis cassetteという遺伝子のセットからは、主にホリンとエンドライシンというタンパク質が合成されます。
  • ホリンは細胞膜上に集まって穴を形成し、その穴を通り抜けてエンドライシンが、細胞壁(を支えるペプチドグリカン)を破壊します。その結果、浸透圧によって細胞膜が破裂してCell Lysisが起こります。

 

Cell Lysisの機能評価

  • 以上のように細胞死機構は重要なものなので、当然「cell Lysis」のパーツは過去のiGEMチームによっていくつか既に作られていました。しかし、パーツとして使いやすさを向上するためには、定量的な機能評価が大切です。
    • どれぐらいの働きをするのか?つまり、パーツを組み込んだ大腸菌を殺せるか(溶かせるか)?
  • ということを「プロモーター活性」で表すことにしました。


プロモーター活性とは?

  • 遺伝子の発現はDNA→mRNA→タンパク質 という順に起こります。RNAポリメラーゼがプロモーター配列こ結合して、DNA上をスライドしながら遺伝情報をmRNAとしてとりだします(転写)。このmRNAがタンパク質に変換(翻訳)されて、そのタンパク質が様々な機能を担います。
  • プロモーター活性とは、「そのプロモーターのRNAポリメラーゼと結合できる強さ」を表します。 
  • 大腸菌では「DNA→mRNA:転写」の段階で遺伝子の発現を制御しているので、目的の遺伝子が働くかどうかは、このプロモーター活性が重要になります。
  • プロモーターの中には、特定の環境や物質に応じてプロモーター活性が上がるものが多種多様に存在しています。このようなプロモーターのパーツも色々開発されています。
  • これらとLysis cassetteを組み合わせることによって、様々な条件下でCell Lysisを誘導することが可能になりますが、どんなプロモーターでも細胞死を起こすのみ十分にLysis cassetteを発現させることができる、というわけではないはずです。
  • どれぐらいプロモーター活性があればLysis cassetteが働くのかを解析しました。

実験

遺伝子回路

  • pLac(ラクトースプロモーター)によってLysis cassetteの発現を制御する、下の回路を使って機能評価を行いました。
  • pLacとは、ラクトースリプレッサーによって制御されているプロモーターで、LacIが結合すると下流の配列の転写が進まなくなります。
  • IPTGが存在すると、LacIに結合して不活性化するので、遺伝子の発現が誘導されるようになります。
IPTG濃度が高くなるほどプロモーターからの遺伝子発現の誘導も高くなります。
IPTG濃度が高くなるほどプロモーターからの遺伝子発現の誘導も高くなります。

誘導条件とCell Lysis

  • 上の遺伝子回路を形質転換した大腸菌を様々なIPTG濃度で培養し、細胞の数の変化を吸光度(OD550)で30分ごとに計測しました。
IPTG濃度が低いほどCell Lysisが起こる時間も遅くなり、IPTG0.03mMではなんと7時間後にやっとCell Lysisが起き始めていることがわかります


  • 次に、Cell Lysisの活性を定量的に評価するため、細胞数が変化しなくなった時間(16時間後)での細胞数を、様々なIPTG濃度で計測し、比較しました。
縦軸細胞数、横軸をIPTG濃度に対応するプロモーター活性で結果を示しています。プロモーター活性が0.05~0.1の範囲においてCell Lysisの活性が大きく変化しています。

Lysisbox

    • さらに汎用性のある細胞死機構をめざしてLysisboxを考えました。
  • ここではLysis cassetteと、Lysis cassetteと拮抗的に作用してCell Lysisを阻害するAnti-Lysis遺伝子を用います。2つの発現をそれぞれ(独立に)制御して、どんなプロモーターでもCell Lysisを誘導できるようにする仕組みです。


human practice

    • 日本人は「遺伝子組換え」に対してネガティブイメージをもっている人が多い、とよくいわれるが、それは本当だろうか?
    • iGEMについてや自分たちの実験内容、プロジェクトについてどのような説明をすれば伝わるだろうか?
  • iGEMKyoto2010は、human practice活動として、「日本人の遺伝子組換え技術/バイオテクノロジーに対する意識調査」を行いました。サンプル数を増やしてより信頼性のあるデータを出すため、iGEM Japanという形で日本チーム間の交流を深めるきっかけとして全日本チームにこの「iGEM Japan humanpractice project」を呼びかけました。
  • 大阪大学、京都工芸繊維大学、首都大学東京、東京大学と協力して、アンケート活動を行いました。

趣旨

  • 日本人の「遺伝子組換え/バイオテクノロジー」に対する意識調査を行いました。これらの分野に対する印象の現状を把握して今後のiGEMの活動などに活用すること、大規模なアンケート活動を行うことでiGEMやSynthetic biology(合成生物学)の知名度をあげることも目標としました。
  • 主に大学生の理系と文系、大学生と一般(その他※)の比較を対象として、7月上旬から9月末までの期間実施しました。
  • ※各大学で対象を決めました。kyotoチームは食の安全などに関心が高いと考えて主婦/夫を対象に、商店街やスーパーでアンケートを実施しました。回答して下さった皆様、ご協力有難うございました。

方法


まとめ

  • 約2ヶ月間の実施期間で、1511(うち大学生586)の回答が得られました。
    • 今回の調査によって、今はバイオテクノロジーに対して意外にも肯定的にとらえている人が多いことが明らかになりました。特に、食料や環境問題、医薬品開発への応用に関して期待が高く、また一方、技術の使用に際して安全性を懸念する声が多く得られました。
    • 安全面での不安感は、「遺伝子組換え」をはじめとして、情報不足から「どんなものなのかわからない」、という印象に基づくものと推測できました。
    • 世代間の差に関しては、大学生、高校生は小学生のときにすでにバイオテクノロジーに関した話題(「クローン羊のドリー」など)に触れていたり、学校の教科書に遺伝子組換えがでていたりすることから、文理問わず上の世代よりも、分野に親しみがあるためと考えられました。
  • 今回の活動から、研究をする立場として、研究内容やその展望に関して十分に説明していく、情報発信の必要性が強く感じられました。来年以降のhuman practiceなど、私たちはiGEMを通してそうした機会をどんどん積極的に設けていきたいと考えています。
  • 全てのデータ、グラフはこちらをご覧ください。