IGEM:Kyoto/project-2011: Difference between revisions
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*大腸菌など細菌は一見、私たちと同じ「生き物」とは思えませんよね? | |||
*これは一般にいう動物や昆虫がもつ 「自分の意思で食べ物を見つける行動」 がはっきり見られないからかもしれません。 | |||
*そこで''おなかがすいたら、虫をおびき寄せて、消化する'' そんな より「生き物っぽい」大腸菌 の開発を試みました。 | |||
== Hunger == | |||
*''おなかが空いたことに気付く''=グルタミン不足時のみσ54プロモーターの活性があがる | |||
*空腹を感じるのは体の栄養が足りない時、ということから、生物にとって必要なタンパク質のもとになるアミノ酸の一つ「グルタミン」が不足しているときに活性がでるσ54 というプロモーターを利用しました。 | |||
*プロモーター活性の評価には普通、下流にある遺伝子の発現で生じたタンパク質(GFP,ルシフェラーゼといった蛍光・発光物質がよく用いられます)の量を基準にします。が、今回は測定にかかる時間の関係から別の方法で測ることにしました。 | |||
*PCR法を利用して、プロモーターをきっかけに転写されたmRNAを測定することで、グルタミンが豊富に存在する環境下でσ54プロモーターの活性が抑えられることが示せました。 | |||
== Capture == | |||
*''光で虫をおびき寄せる'' =バイオルシフェラーゼの青い光でハエをおびき寄せる | |||
*生物由来の発光物質である、バイオルシフェラーゼの遺伝子を大腸菌に導入しましたが、この大腸菌が発する光は弱く、虫を引き寄せるのに十分ではありませんでした。 | |||
*そこで、このバイオルシフェラーゼによる光が虫を引き寄せるのに適しているのか確かめるため、似た波長(約500nm)の青色LEDライトを用いてハエの行動実験を行いました。 | |||
*結果、ショウジョウバエはLEDの青色光、緑色光の方へ集まることが確認できました。 | |||
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*''消化する''=酵素キチナーゼで、ハエなど昆虫の体をつくるキチンを分解する | |||
*大腸菌に、キチナーゼ という酵素の遺伝子を導入しました。 | |||
*キチナーゼの活性を直接測定するのは難しいので、キチンが分解されて生じる「還元糖」を代わりに定量する、DNS assayを用いました。DNS assayでは、DNSの、還元糖と反応することで色が変わる性質を利用しています。 | |||
*測定方法は確立できましたが、大腸菌で発現させたキチナーゼの活性は今回の実験期間では見いだせませんでした。さらなる考察と実験が必要です。 | |||
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Latest revision as of 19:37, 24 November 2011
Carnivorous E.coli ~食虫大腸菌~
- 大腸菌など細菌は一見、私たちと同じ「生き物」とは思えませんよね?
- これは一般にいう動物や昆虫がもつ 「自分の意思で食べ物を見つける行動」 がはっきり見られないからかもしれません。
- そこでおなかがすいたら、虫をおびき寄せて、消化する そんな より「生き物っぽい」大腸菌 の開発を試みました。
Hunger
- おなかが空いたことに気付く=グルタミン不足時のみσ54プロモーターの活性があがる
- 空腹を感じるのは体の栄養が足りない時、ということから、生物にとって必要なタンパク質のもとになるアミノ酸の一つ「グルタミン」が不足しているときに活性がでるσ54 というプロモーターを利用しました。
- プロモーター活性の評価には普通、下流にある遺伝子の発現で生じたタンパク質(GFP,ルシフェラーゼといった蛍光・発光物質がよく用いられます)の量を基準にします。が、今回は測定にかかる時間の関係から別の方法で測ることにしました。
- PCR法を利用して、プロモーターをきっかけに転写されたmRNAを測定することで、グルタミンが豊富に存在する環境下でσ54プロモーターの活性が抑えられることが示せました。
Capture
- 光で虫をおびき寄せる =バイオルシフェラーゼの青い光でハエをおびき寄せる
- 生物由来の発光物質である、バイオルシフェラーゼの遺伝子を大腸菌に導入しましたが、この大腸菌が発する光は弱く、虫を引き寄せるのに十分ではありませんでした。
- そこで、このバイオルシフェラーゼによる光が虫を引き寄せるのに適しているのか確かめるため、似た波長(約500nm)の青色LEDライトを用いてハエの行動実験を行いました。
- 結果、ショウジョウバエはLEDの青色光、緑色光の方へ集まることが確認できました。
Digestion
- 消化する=酵素キチナーゼで、ハエなど昆虫の体をつくるキチンを分解する
- 大腸菌に、キチナーゼ という酵素の遺伝子を導入しました。
- キチナーゼの活性を直接測定するのは難しいので、キチンが分解されて生じる「還元糖」を代わりに定量する、DNS assayを用いました。DNS assayでは、DNSの、還元糖と反応することで色が変わる性質を利用しています。
- 測定方法は確立できましたが、大腸菌で発現させたキチナーゼの活性は今回の実験期間では見いだせませんでした。さらなる考察と実験が必要です。