IGEM:Chiba/2009/Miutes/2/japan
千葉のプレゼン
ppt
質問・アドバイス
- LuxR mutantsというのは、異なる菌にそれぞれ違うLuxRを入れるのか?
→はい、そうすることによってdelayを作れると考えました。
別々の時間応答する回路をつくったら、 まず最初にレポーターをGFPで統一して、実際どの程度時差が生じたか比べる予定なので 1個体内に、複数の異なる時間で出力をする回路を入れても出力を見ることができないからです。
また、複数の(というか長い)回路を1個体内に入れるのは、機能面で問題があるというのも理由の1つに挙げられます。
- クロストークはどうやって押さえるか?また直列回路はどれくらい長くできるか?
→クロストークは、違う菌同士が互いに反応しにくい種類のAHLを使うことである程度押さえられると考えています。
実際にどの程度ながくできるかはわかりません。 AHLの種類は、ある論文の(このときConstruction and analysis of luxCDABE-based plasmid sensors for investigating N-acyl homoserine lactone-mediated quorum sensingとすぐ言えればよかったのですが)で紹介されている、igemのbiobrickにあるクオラムセンシング関連パーツのクロストークのしやすさから考えると、 LasとRHLまたは、LuxとLasのペアが一番クロストークがしにくい(濃度で言えば100倍~1000倍の濃度差が必要)ことがわかりました。 今回千葉では、この2段階のクオラムセンシングを使った直列回路を作ろうとしています。
(アドバイス)
Autinducer1系を使っているみたいだけど、Autinducer2の使用もかんがえてみたら? 1と2はクロストークしないよ。
- AHLの種類ってどれだけあるんですか?
詳しくは分かりませんが、ある論文(このときConstruction and analysis of luxCDABE-based plasmid sensors for investigating N-acyl homoserine lactone-mediated quorum sensingとすぐ言えればよかったのですが)では、やく15種類が紹介されています。
- MutantはRタンパク質じゃないものの方が簡単なのでは?なぜプロモーターに変異を入れないのか?
→手元に使えるLuxR Mutantがあるので、こちらを利用しようと思ったからです。
(アドバイス) プロモーターの変異の方がいいとおもうよ。
- データの取り方はどうするの?液倍からやるの?固体からやるの?
→液体培地、固体培地の順に実験しようと思っています。
(アドバイス) 応答が違ったりするから、片方ダメでも両方ちゃんと実験したほうがよいよ。 液倍がだめでも固体で大丈夫な場合もある。
- 液体培地だとAHLが拡散しまくって勝手にpositive feedbackのスイッチが入ってしまうかも?
→考え直してみます。
- 拡散係数とかわかっているの?
まだ調べ切れていません。よく調べてみます。
- 拡散の様子とかシュミレーションしないの?
今年は京都大の高森さんと協力して、モデリングにも挑戦しようと考えています。
- 精確とはどこまでを指すのか
→とりあえず、順番通りに遺伝子が発現することができればよいと考えています。
- 低分子のディフージョンの速さはどうなっているか?
→(「ディフュージョン」の意味がよくわからず「よく調べてみます」と言ってしまいました;)
- 図だとレポーターを複数使っているけど、あれだとレポーターの発現速度で順序制御してるようにみえてしまうよ。そのへんはどう考えているの?
まず最初にレポーターをGFPで統一してスイッチの入り方を調べようと考えています。 そのご、最終形態として、図のような多色のレポーターを使う予定です。 ちなみに図では1色ごとに順序制御されるようになっています。 最後のスライドでは、2段階のスイッチがはいるパターンを紹介しています。
他チームプロジェクトレビュー:1
記録者:野澤
東大
(1)糖尿病
- 糖類ではなくスターチを元にした甘みを持つパンを作る。
- スターチ→グルコース→エリスリトールという経路を作りたいとのこと。
- これによりカロリーを抑えつつ甘みのあるパンを作る。
- 何も言ってなかったので、おそらくは大腸菌を使う?あるいはパンつくるなら当然酵母を使うってことで言わなかったんだろうか。
(原料がスターチであっても途中でグルコースになるならあまり変わらない気がする。聞けばよかったが、そのときは気づかなかった。) (2)Smoking Habit
- タバコを吸うと煙に反応してくさい匂いを出す。禁煙を助けるプログラム。
- 煙の中のダイオキシンからAhr→XRE(プロモーター?)→yqiT(バチルス由来)→匂い
- 大腸菌を咽喉の粘膜あたりに住まわせたいらしい。受動喫煙でも動くだろうとのこと。
(3)Excess LDL in blood
- 脈硬化を防ぐために血中のLDLを取り除くシステムを作る。
- 酵母を使う。LDL受容体を膜状に発現させ、LDLと結合したらそのままエンドサイトーシスで受容体ごと体内に取り込む
- future workでの実用段階では、血管にバイパス手術のような感じで寄り道をつくり、そこに酵母を取り付けたカラムのようなものを用意し、
LDLをこしとる仕組みを作りたいとのこと。 (4)睡眠障害
- オシレーターをつくり周期を持たせる。ポジティブフィードバックとネガティブフィードバック一つずつを組み合わせたもの。
- 周期的にGFPを発現させるとのこと。GFPや他いくつかのタンパク質(オシレーターの部品となる)には分解タグをつける。
これによりGFPは溜まることなく周期的に蛍光を発するようになる。
- 最終的に何をしたいのかがいまいちわからなかった。目覚ましや、周期的に薬を発現(2時間に一度飲むとかそういう感じ)するという発想があったらしい。
が、プレゼンでは言ってなかったように思う。聞き逃しの可能性も。後からメンバーとしゃべってて教えてもらいました。 東大は全体的に病気対策でした。
東工大
火星のテラフォーミング
- 最終的な目標は火星の環境を変化させ、地球の生物が生きられるようにすること
- 細菌は様々な場所に適応しており、強いから。
- 火星の一部を暖める→別な菌でさらに広範囲を暖める→大気等の環境を変えていく
といった流れらしい。
- 温度を上げるために、菌は体内でメラニンを作り黒くなり、太陽光を集める。
- 温度が上がるまでは、低温に絶えるためにAnti-Freeze Protein(AFP)を発現させる。このタンパク質は氷の精製を抑える働きがある。
- 最初は鉄酸化細菌を使う。UV対策に穴を掘って地下で住まわせると言っていたがどう考えても矛盾している。太陽光を集められない。
二つ目の細菌は強いというのとも整合性がないような
- 熱くなりすぎるといけないので、温度が上がってきたらメラニンを分解して白くなる(元に戻る)仕組みをつくりたい。
温度感受性のタンパク質で熱くなったらメラニン分解酵素?を発現する。 この感受性のスイッチが入る温度は40℃くらいとのこと。
- 鉄酸化細菌の各種の環境に対する応答について、司令塔となる菌をつくり、クオラムセンシングで他を制御するらしい。
クオラムセンシングで制御することで、回路を単純化(省略?)出来ると主張している。 Lux系のクオラムセンシングを使うとのこと。火星の極地に存在する氷を溶かして水にして、それを通ってAHLは拡散する。
- シアノバクテリアで大気の環境を変えたいようだが、これもUVに弱いといっていた。
もしもオゾン層を作りたいのであればここは無理してもらうしかないと思うのだが、いまひとつ要領を得ない。 正直に言うとあまり纏まってない印象でした。 質問したいことは多かったのですが、全て聞くことは出来ませんでした。 また、プレゼンで聞き逃していたり、勘違いしていることがあったのかもしれません。
京大
(1)Time Bomb
- 生物ロボットは使っている間に突然変異によって暴走する可能性を持っている
- このリスクを減らすために、必要なだけ働いた後には自ら死んでしまうシステムを作る。
- 真核生物のテロメアをヒントにしている。
- 酵母を使う。
- 自殺するためのkilling geneを導入したプラスミドと、それを抑える働きを持った遺伝子を導入した線状ベクターを酵母に入れる。
- 線状ベクターは、常に一つの細胞につき一つだけ持っているようにするためのタグ?配列?を持たせておく
- 線状ベクターはkilling geneを抑える遺伝子と、その両側にlacI binding siteの繰り返し配列を持つ。
- この繰り返し配列が細胞分裂の度に短くなっていき、いずれkilling geneを抑えるための領域も壊れ、抑えられなくなり自殺する。
- なぜ繰り返しがlacI binding siteなのかは、発案者がいなかったためにわからないとのこと・
(2)Cell in Cell
- 細胞を作る。
- ポソームにゲノムを入れたら細胞が出来るかどうか。
- ミトコンドリア膜を模したリポソームを作ったら、細胞核ゲノムから発現したタンパク質によってそのリポソームの分裂が確認できないだろうか。
(2)はまだいろいろ模索している段階のようで、実際にどういった実験をするのかなどは決まっていないようです。
他チームプロジェクトレビュー:2
記録者:山本薫
1、Todai-Tokyo
- 4つのプロジェクトを進めているようです。
- 全体的に病気対策でした。
(1)Diabates/糖尿病
・砂糖の代わりになるような甘い物質(スターチ)をイースト菌に出させて低カロリーなパンを作る。
スターチ→グルコース→エリスリトールという経路を作りたいとのこと。
これによりカロリーを抑えつつ甘みのあるパンを作る。 何も言ってなかったので、おそらくは大腸菌を使う?あるいはパンつくるなら当然酵母を使うってことで言わなかったんだろうか。 (原料がスターチであっても途中でグルコースになるならあまり変わらない気がする。)(野澤)
(2)Smoking habits/禁煙を助けるプログラム
・タバコを吸ったときに発生するAhrを入力とし、吉草酸?(とても臭い)を出す。大腸菌を咽喉の粘膜あたりに住まわせたい。
煙の中のダイオキシンからAhr→XRE(プロモーター?)→yqiT(バチルス由来)→匂い
・受動喫煙でも動くだろうとのこと。(野澤)
(3)Exess LDL in blood/動脈硬化を防ぐための、血中のLDLを取り除くシステム
・酵母にLDL受容体を膜状に発現させ、LDLと結合したらそのままエンドサイトーシスで受容体ごと体内に取り込む。
・future workでの実用段階では、血管にバイパス手術のような感じで寄り道をつくり、そこに酵母を取り付けたカラムのようなものを用意し、 LDLをこしとる仕組みを作りたいとのこと。
(4)Sleeping disorders/睡眠障害
・UVを入力とする、positive feedbackとnegative feedbackを1つずつ組み合わせたoscillatorを用いて、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクル(90分毎に入れ替わる)をコントロールする。
・周期的にGFPを発現させるとのこと。GFPや他いくつかのタンパク質(オシレーターの部品となる)には分解タグをつける。
- これによりGFPは溜まることなく周期的に蛍光を発するようになる。
- 回路中のGFPには分解タグがついている。
・振動が減衰する前にスイッチが切れるようにしたい。
・最終的に何をしたいのかがいまいちわからなかった。目覚ましや、周期的に薬を発現(2時間に一度飲むとかそういう感じ)するという発想があったらしい。
- (が、プレゼンでは言ってなかったように思う)(野澤)
2、Tokyo-Tech
- 火星のテラフォーミング
・最終的な目標は火星の環境を変化させ、地球の生物が生きられるようにすること(細菌は様々な場所に適応しており、強いから)
- 火星の一部を暖める→別な菌でさらに広範囲を暖める→大気等の環境を変えていく、といった流れらしい。
・温度を上げるために、菌は体内でメラニンを作り黒くなり、太陽光を集める。
- 菌に温度によってメラニン色素を生産する機構を組み込み、火星の表面に蒔く。
- 寒いときはメラニンをたくさん生産して黒くなり、光をたくさん吸収して暖める。
- 熱くなりすぎるといけないので、十分な温度(40℃くらい)に近づくと温度感受性のタンパク質でメラニン分解酵素?を発現する。菌は白っぽくなっていき、光の吸収をやめる(元に戻る)。
- 火星は低温なので、温度が上がるまでは、低温に耐えるために(菌が凍らないように)AFP(Anti-Freeze Protein)を発現させる。このタンパク質は氷の精製を抑える働きがある。
・最初は鉄酸化細菌を使う。UV対策に穴を掘って地下で住まわせると言っていたがどう考えても矛盾している。太陽光を集められない。(二つ目の細菌は強いというのとも整合性がないような…)
・鉄酸化細菌の各種の環境に対する応答について、司令塔となる菌をつくり、クオラムセンシングで他を制御するらしい。
- クオラムセンシングで制御することで、回路を単純化(省略?)出来ると主張している。
- Lux系のクオラムセンシングを使うとのこと。火星の極地に存在する氷を溶かして水にして、それを通ってAHLは拡散する。
・シアノバクテリアで大気の環境を変えたいようだが、これもUVに弱いといっていた。
- もしもオゾン層を作りたいのであればここは無理してもらうしかないと思うのだが、いまひとつ要領を得ない。(野澤)
3、Kyoto
(1)Time Bomb
・生物ロボットは使っている間に突然変異によって暴走する可能性を持っている
- このリスクを減らすために、必要なだけ働いた後には自ら死んでしまうシステム(末端複製問題(End Replication system)を応用したタイマー)を作る。
・真核生物のテロメアをヒントにしている。
- 自殺するためのkilling geneを導入したプラスミド(菌を殺すkiller geneを持つ環状遺伝子)と、それを抑える働きを持った遺伝子を導入した線状ベクター(End Replication systemで短くなる鎖状遺伝子)の2つを酵母に入れておく。
- 線状ベクターにはリプレッサ(killing geneを抑える遺伝子)があり、常に一つの細胞につき一つだけ持っているようにするためのタグ?配列?を持たせておく。
- 線状ベクターはその両側にlacI binding siteの繰り返し配列を持つ。(なぜ繰り返しがlacI binding siteなのかは、発案者がいなかったためにわからないとのこと)
・だんだん鎖状遺伝子が短くなり、リプレッサがなくなってしまうと菌が死んでしまうというシステム。(野澤)
(2)Cells in Cells
・細胞を作りたい。(なるべく楽して作りたい)
- リポソームにゲノムを入れたら細胞が出来るかどうか。
- ミトコンドリア膜を模したリポソームを作ったら、細胞核ゲノムから発現したタンパク質によってそのリポソームの分裂が確認できないだろうか。
(2)はまだいろいろ模索している段階のようで、実際にどういった実験をするのかなどは決まっていないようです。
4、Chiba
- いただいた質問、意見を箇条書きにします。
・Lux mutantsというのは、異なる菌にそれぞれ違うLuxを入れるのか?
→別々の時間応答する回路を作ったら、まず最初にレポーターをGFPで統一して、実際どの程度時差が生じたか比べる予定なので、1個体内に複数の異なる時間で出力をする回路を入れても出力を見ることができないからです。
- また、複数の(というか長い)回路を1個体内に入れるのは、機能面で問題があるというのも理由の1つに挙げられます。
・クロストークはどうやって押さえるか?また直列回路はどれくらい長くできるか?
→実際にどの程度長くできるかはわかりません。
- AHLの種類は、ある論文の(このときConstruction and analysis of luxCDABE-based plasmid sensors for investigating N-acyl homoserine lactone-mediated quorum sensingとすぐ言えればよかったのですが)で紹介されている、igemのbiobrickにあるクオラムセンシング関連パーツのクロストークのしやすさから考えると、LasとRHLまたは、LuxとLasのペアが一番クロストークがしにくい(濃度で言えば100倍~1000倍の濃度差が必要)ことがわかりました。
- 今回千葉では、この2段階のクオラムセンシングを使った直列回路を作ろうとしています。
(アドバイス)
- Autinducer1系を使っているみたいだけど、Autinducer2の使用も考えてみたら?
- 1と2はクロストークしないよ。
・AHLの種類はどれだけあるのか?
→詳しくは分かりませんが、ある論文(このときConstruction and analysis of luxCDABE-based plasmid sensors for investigating N-acyl homoserine lactone-mediated quorum sensingとすぐ言えればよかったのですが)では、約15種類が紹介されています。
・花火の発現する色の順番を考えてみたらどうか
・図だとレポーターを複数使っているけど、あれだとレポーターの発現速度で順序制御してるように見えてしまうよ。その辺はどう考えているの?
→まず最初にレポーターをGFPで統一してスイッチの入り方を調べようと考えています。
- その後、最終形態として、図のような多色のレポーターを使う予定です。
- ちなみに図では1色ごとに順序制御されるようになっています。
- 最後のスライドでは、2段階のスイッチが入るパターンを紹介しています。
・MutantはRタンパク質じゃないものの方が簡単なのでは?
(アドバイス) プロモーターの変異の方がいいと思うよ。
・データの取り方はどうするの?液体培地だとAHLが拡散しまくって勝手にpositive feedbackのスイッチが入ってしまうかも?(木賀先生)
(アドバイス)
- 応答が違ったりするから、片方ダメでも両方ちゃんと実験したほうがよいよ。
- 液培がだめでも固体で大丈夫な場合もある。
・AHLの拡散速度を考えてみたらどうか
・拡散係数とかわかっているの?
→まだ調べ切れていません。よく調べてみます。
・拡散の様子とかシュミレーションしないの?
今年は京都大の高森さんと協力して、モデリングにも挑戦しようと考えています。 ・精確とはどこまでを指すのか
・低分子のディフージョンの速さはどうなっているか?
山本(24/Aug/09追記)