IGEM:Tokyo/2008/Minutes/2.16
2/16のミーティングで出たアイデア
①ETH 2006
半加算器
XOR回路(1と0を入力したときに1とでる方。SUM)とAND回路(1と0を入力したときに0とでる方。CARRY)を大腸菌内に作る
input→(光)ーsensingーRFP・・・SUM
input→(化学物質)ーsensingーGFP・・・CARRY
XOR回路
Pがつくものの産物はプロテアーゼであり、続く文字の転写産物を分解。tfはRFPのプロモーターにくっつき転写を開始する。
下にある図はtfの構造である。両方とも最後はRFPがつながっている。
片方だけ発現されると出力として赤く光る。
(ちなみにプロテアーゼがない回路だと、OR回路になる。)
AND回路
early stop codon は途中でストップコドンが入って途中までしか転写されない。
両方のDNAが転写されたときだけ緑の光の出力がでる。
ただし、十分に時間が経たないと発現したタンパク質が分解されないのが問題。
バラバラには成功したけど、両方をあわせた半加算器の完成にはいたらなかった。
②Turkey 2007 2008
金属輸送
1、タンパク質の濃度勾配を利用したイルミネーション
濃度が大きくなるほど赤→黄→緑に変わる。
周期的なタンパク質の濃度勾配でイルミネーションの作成を試みたが失敗。
2、陣取りゲーム
player1:RFPを発現させる大腸菌
player2:GFPを発現させる大腸菌を投与。
クオラルセンシングで、player1の周りは赤く光り、player2の周りは緑に光る。
プロモーターのリークがあって、入れたもので発現したのか、自分で発現したのかわからないので、playerごとにシャーレを用意。
baseを測定してからやればうまくいきそう。だけど、案だけで終わった。
3、金属輸送
バイオレメディレーション
従来有害な物質を化合物にして無害化していた。
その中にはレアメタルもあるので、あつめて工業用に使えないか。
①大腸菌の重金属への結合。オレンジのところに金属がある。
②光走性を使って右の方へ移動
③ある特定の波長の光を用いて金属解放する。バクテリオロドプシンを発現させた大腸菌を使うことで、光に応じて水素イオンを取り込み、水素イオン濃度あがることで金属をはなす。
④右の光消して左の光つけることで、またもどってこさせる。
培地はゲル。
2008年にうまくいったらしいけど、どの金属使ったか不明。
③東京連合 2006
三目並べ
DNAコンピュータでアプローチ
player1:大腸菌(GFP)
player2:人(RFPを発現するように作用)
何通りも試合パターンが生まれるので、制限をかける。
1、一回目のターンは大腸菌で真ん中を陣取る。
2、二回目は人が左上か左真ん中のみ陣取る。
3、三回目は大腸菌が右上を陣取る。
基本の論理ゲートであるANDゲートは
repressor-repressor回路とactivator-repressor回路を作る。
DNAを3sectionにわけ、R−R回路は真ん中と右にrepressor、右端にGFP
A-R回路は左端にactivator、右にrepressor、右端にGFPをコード。
同様の方法でAND-ANDゲートを構成する。
どのように選択させたかとかは不明。
2009年二月号の日経サイエンスにこのプロジェクトと同様の目的(三目並べをDNAコンピューターに解かせる)を持った研究について(コロンビア大 etc)載っているので参考にしてください。
(ここでは「一回目で真ん中をDNAが取る」という制限だけかけたようです。
また、応用としてドラッグデリバリーなどを考えた研究ということです。)
<出てきたアイデア>
①大腸菌をつなげれないか。
2008年の京都大で、binding proteinを発現させてtargetにくっつけようというのがあった。
このbindig protein同士をくっつけさせたら、大腸菌同士をくっつけることにならないか。
走化性を使って同じ方向に向かせ、このタンパク質を発現させればくっつくだろうし、固まって動いているように見える。
大腸菌の速度は2.8mm/min
大腸菌は死んでも動く(細胞モデルとか呼ばれるようになる)
真確細胞ではカドヘリンとかが接着に関わっているが、膜外に出すのが大変。
エネルギーたくさん与えると速度あがるかな?
(ATP濃度が0.6μM以下では速くなるようですが、それ以上濃度をあげると飽和して速度は一定になるようです。 Koma)
大腸菌に速く動く動物の鞭毛入れれば?
大腸菌の繊毛は自己組織化するみたい。
体積が増えても表面積の増加は少ないので、くっつけると速度遅くなるかも。
(ちなみに鞭毛→一、二本で長い毛、繊毛→短いけどたくさんある毛という違いがあります。大腸菌は表面全体に毛があるので、繊毛の方かと・・・。)
②動脈硬化の治療法
コレステロールがたまることで動脈硬化が起きる。
コレステロールはタンパク質に囲まれて血液中を移動
そのタンパク質には二種類あり、
LDL:悪玉。肝臓で作られたコレステロールを細胞へ。血管に傷があると貯まる。
HDL:善玉。血液中の余ったコレステロールを肝臓へ。
血管内壁に傷があると、LDLコレステロールが蓄積し、LDL酸化がおこる。白血球はそのLDLコレステロールを食べて死ぬ。けれども、コレステロールは残り、血管が細くなる。
コレステロールを分解する酵素コレステロールオキシダーゼ(COX)
商品化されているもの(血清中のコレステロール濃度調べたり、膜構造を調べるのに使う)と、細菌が作り出すものとある。
前者は分解産物がCEOだが、後者はHCEOである。
Chromobacterium SP.DS-1という細菌が作る。
アミノ酸配列を調べてpET21-d(+)プラスミドに入れる。大腸菌に入れたらうまくいった。
このCOXは有機溶媒で失活しないし(商品化されているものはする)、熱に強い。構造的にも安定で、金属あっても錯体あっても効果ある。
HCEOは水溶性なのか?また、有害なのか?調べる必要がある。
③BSEの治療
異常プリオンの分解酵素(MSK103)
納豆菌Bacillus licheniforrcis
1mlあたりで1μg異常プリオンを37度1時間で分解。
通常のたんぱく質も分解するのが問題。
異常プリオンが生成される途中でストップ掛けてもいいよね。
④煙草の副流煙をどうにかできないか。
ニコチン分解酵素、タバコスズメガにある。
実用性やコストの問題がありそう。
⑤研究アプローチについて
igemの研究はすべて「問題点の提起とその解決ではないか」
≪2008年の金メダルの研究の要約≫
・Caltech:bacteriophage specific、過酸化水素で殺す、葉酸イオン、lactose intolerainte(ラクトース分解できなくて、牛乳飲んでおなか壊す。それを治療)これはあるものと別のものの組み合わせ。
・Davidson Misso:XOR gateの作成
・Edinburg:セルロース⇒グルコース⇒グリコーゲン⇒デンプンの反応をやらせる。前二つの反応は成功。最後のは途中。
・Freiburg:receptor system。DNAにタンパク組み込んだ。
・UNIV. of Gronirger:出力がGFP or RFP。HSLの濃度で色をかえる。蛍光たんぱくの分解がうまく起きなくて失敗。壊れやすい蛍光たんぱくにしたら、今度は検知がうまくいかなくなった
・Harvard:化学的に発電。AがA'に変わることで電子をだして電流が流れるとするとき、大腸菌にA'をAにかえる酵素を発現させて、電流が発生し続けるようにする。
・Heidelburg:bacteriaに毒素を作らせる。bacteriophageで殺す。の二つのことをした。回路作るのに使えるかも。
・Imperial colledge:光当てると動きが止まるbacteria作成。回路はすごい長いが、シンプル。
・KUleuren:Drug derivery system(大腸菌)生体内でやった。運んだあとは死ぬ。回路が超複雑で、予測できないこといろいろ起きて失敗。
・MIT:虫歯。以前紹介されたので略。
・Neucastle:biosenser。対象はsensorprotein、regulaor protein。
・Rice Univ.:以前紹介されたので略。
・Slovenia:タンパクorDNAorバクテリアを用いたワクチン。
・Tokyo Tech:圧力センサー。tet promoterが圧力により影響受ける。(出力三倍)押さえると光るようにした。
・TUDelft:RNAを用いた温度計。
・UCBerkley:作業のオートメーション化。プラスミド抽出の自動化。
・Valencia:熱を作る。以前紹介されたので略。