勉強会
概要
この勉強会では、輪講形式で「システム生物学入門 生物回路の設計原理」を読み進め、システム生物学について学んでいきます。扱う本の内容をその場で完全に理解することよりも、各人が独習する際の一助となることを目標とします。(無論、理解できることに越したことはない)
勉強会は7月上旬まで週1回のペース(祝祭日は除く)で進めていく予定です。
場所
第2回:理学部2号館4階会議室
地図→
連絡先
質問・連絡などは下記アドレスへ
e-mail: chem.academy@gmail.com(3年 久保)
日程
2009年4月~7月上旬(テスト期間前に終了予定)
第0回 4月23日 ガイダンス、導入等
第1回 5月1日 第2章 担当:豊田
第2回 5月8日 第3章 担当:久保
第3回 5月21日 演習(第3章) 担当:久保
第4回 6月5日 第4章 担当:北畑
過去ログ
第0回
記録者:久保(2009/4/30)
題目:打ち合わせ、方針の決定
場所: 工学系総合研究棟6階第1会議室
参加者:4名
・今回に限り場所を2階から6階に変更して開催
・今回はどのような本を読み進めていくかを中心に話し合った
・候補に挙がった本
・システム生物学入門 生物回路の設計原理
・散逸構造 自己秩序形成の物理学的基礎
・Recombinant DNA
・オープンソースで学ぶバイオインフォマティクス
・最終的に「生物学入門 生物回路の設計原理」を読むことに決定
・第1回、第2回の担当者も決定(日程参照)
第1回
記録者: 豊田
担当:第2章転写ネットワーク
細胞の転写ネットワークの基本は X → Y の関係である。(ただし、普通は転写→翻訳の2ステップである)
だから、YはXの応答関数になって、そうすると時間スケールが決まる。
このとき、細胞の内部状態では、各素反応でタイムスケールがある 表2.1 この時間スケールでもとくに、転写時間、翻訳時間、mRNAの寿命、細胞世代時間 が大事だと思う。
また、X -| Yの関係もあって、前者はアクチベータ、後者はリプレッサと呼ばれる。
XはシグナルでON, OFFとなることが調整されているけれども、
これからはたいていの場合はXはすぐにONとなると仮定する。 それでも、Yの応答時間の時間スケールは、細胞内の反応によって異なる。 表2.2
*エッジ:転写ネットワークの末端。植物でいえば2次代謝物の経路とか。
ちょっとした遺伝子の配列変異で、ネットワークが切れたりする。活性化の
エッジが細胞内では多い。
YはXの関数になる。一般にミカエリスメンテンのような考え方で、ヒル関数として
拡張して考えることができる。さらに、論理関数としてステップ関数θを定義する
ことができる。
実際にはそんなにデジタルでなくアナログなのだけど、後の章では論理関数で
処理しても、ネットワークの本質が語れるくらい疎視化してもいいらしい。
Yは産出速度βと分解希釈速度αを考えて、
dY/dt =β-αY
と一般にかける。定常状態となれば、dY/dt=0で、Y=β/αとなる。
これの半分の量に至る時間を応答時間と定義すると、産出速度には依存せず、
T1/2= log2/α
となる。
増殖細胞の中でも安定に存在するタンパク質は、分裂する瞬間に細胞内で
半分になるので、安定タンパク質の応答時間はちょうど細胞世代時間に対応する。
(本当かな?)
演習問題 2.1微分方程式を解くだけ。
2.2連立微分方程式となるが、mRNAが速く分解される、応答時間が短いので、
結局定常状態とみなせるから、タンパク質についての微分方程式を考える。
mRNAが遅く分解されるなら、タンパク質はmRNAの量に比例して、長い応答
時間となる。
2.3線形の微分方程式として、dY/dt-αY=βとして、積分すれば一般解。
しかし、その後の積分項は解けるときも解けないときもある。特にαが定数
なら解ける。そうでないときは数値計算になる。
参考資料
レジュメのpdfなどのファイルを置く可能性大
Link
昨年度のページ http://igmchiba.web.fc2.com/benkyo/be.html
IGEM CHIBA 2009 →確認が取れ次第